dadadiary

吹奏楽、旅行が好き。

読書の秋 〜意外な共通点〜

読書の秋?ですね。冬も近いです。

 

特に「秋だから本を読もう!」とか思ってはいなかったのですが、なぜか最近移動中のバスや寝る前に本を読み始めたので読んでいる本と今までに読んだ本の一部を紹介します。

 

・ 1Q84

村上春樹の本ですね。読み方はともかく題名は聞いたことがある人は多いはずです。巻末にある読み方は「イチキューハチヨン」だそうです。

新潮文庫から1の上下巻、2の上下巻、3の上下巻、合計6巻の構成です。

 

各一巻の中でも「天悟」と「青豆」という二人の章が交互に展開されています。

ネタバレにならないように簡単にストーリーを説明すると、舞台は1984年、スポーツトレーナー兼殺し屋の青豆はある日、空に月が二つあることに気が付きます。彼女は高速道路の非常階段につながる扉を抜けたときに今までとは違う世界、1Q84年に入り込んでしまったものと断定します。

一方、予備校の数学講師兼小説家の天悟は謎の美少女「ふかえり」の小説をもとに、空に月が二つある世界を描いた「空気さなぎ」という小説を書きます。

 

1~2巻までは天悟と青豆の関係がほとんどないままストーリーが進行しますが、徐々にお互いの過去に二人の共通点があったことが語られ、次第に二人は自ずと引かれあっていきます。

 

あとはぜひ実際に手に取って読んでみてください。6巻ラストの章名が個人的に好きです。

 

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
村上 春樹
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 虐殺器官

伊藤計劃のデビュー作ですね。自分は中学生のとき朝読書の時間に読んでいました。

ストーリーを簡単に説明すると、舞台はおそらく2000年末~2100年、世界中でテロ、戦争が激化した結果、アメリカなどの先進国は個人情報管理体制を厳格化していました。主人公クラヴィス・シェパードが所属しているアメリカ情報群特殊検索群i分遣隊はウェットワーク、つまり暗殺を引き受けている部隊で、またいつものようにある男の暗殺命令が下されます。その人物、ジョン・ポールは後進国で民族内の虐殺を扇動しているとされていましたが、クラヴィスは彼が後進国で「虐殺の文法」を使用して虐殺を行っているということを知り、その後も彼を追い続けます。

ネタバレになるのでここでは省きますが、虐殺と先に述べた個人情報管理がどう結びついてくるのかにも注目です。

 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
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 ・ハーモニー

再び伊藤計劃の小説です。ちなみに伊藤計劃氏は2009年にわずか34歳という若さでこの世を去っているので、完成した長編作品は虐殺器官とハーモニーの2部となっています。

ハーモニーはおそらく虐殺器官の続編だと自分は考えています。

世界中で引き起こされた戦争やウイルス感染「大災禍(ザ・メイルストロム)」後に従来の政府は「生府」へと名前を変え、世界で健康、幸福を願う高度な医療経済社会が構築されました。公園でジャングルジムから落ちてもジャングルジムが瞬時に柔らかくなりぐにゅっと曲がって落ちた人をキャッチしたり、道路が柔らかいので転んでもケガをしない、子どもたちは「病気」という言葉を知らなかったり、血を見たことがない、という健康で幸せな世界を過ごしていました。

そんな健康・幸福を憎悪する御冷ミァハを含む三人の女子高生は医療世界に一石投じようと三人で自殺を図るも、ミァハのみが死んでしまいます。

それから13年後、世界中で突然集団自殺が起こります。かつての友人、霧慧トァンは死んだはずのミァハが関係していると考え、捜索を始めます。

 

 さて、これらの作品に共通点があることに気づいた人はいるでしょうか。

 

そうです、ジョージ・オーウェルの『1984年』ですね。

 

『1Q84』の作者、村上春樹は『1984年』を土台にして書いたとされていますし、伊藤計劃作品も全体主義への批判が共通しています。

 

自分はこれらの本を買うときは全く意識していなかったのですが、普段本を読まない私がたまたま読んでいた本に共通点があったのでびっくりです。といっても肝心の『1984年』はまだ読んでいる途中なんですけどね。

 

P.S. 食欲の秋ですね。贅肉が付いてきました。これからの耐寒用だと思いましょう。