dadadiary

吹奏楽、旅行が好き。

鎌状赤血球症

  遺伝性の貧血病で、赤血球の形状が鎌状になり酸素運搬機能が低下して起こる貧血症のこと。

主にアフリカ、地中海沿岸、インド北部に住む黒人に多く見られる。

 

  遺伝子型がホモ接合型の場合、常時発症しているのでたいていは成人前に死亡するが、遺伝子型がヘテロ接合型の場合、低酸素状態でのみ発症するので通常の日常生活は営める。

※ホモ接合型→対立遺伝子がAAやaa

  ヘテロ接合型→対立遺伝子がAa

 

ヘテロの遺伝子保因者は正常状態では60%が正常赤血球、40%が鎌状赤血球の状態である。マラリア原虫は人体では赤血球内で増殖する。マラリア原虫に感染すると赤血球のpHは約0.4低下する。pHが低下するとボーア効果により赤血球の鎌状化が進み、全身の赤血球の鎌状赤血球の割合が増加する。マラリア感染初期ではマラリア原虫が感染し鎌状化した赤血球は脾臓で優先的に除去される。感染後期では鎌状化した赤血球によりマラリア原虫は機械的に壊される。これらの機序によりヘテロ保因者はマラリアに対し耐性を発揮する。