トルコ旅行記#5
トルキッシュマンに連(釣)れられて…
着いたのは部屋中高そうな絨毯だらけの絨毯屋。
店に入るとマンと店員さんは表情ひとつ変えず、挨拶もしませんでした。おい親戚じゃないだろ。そもそもマンはふさふさ、店員さんはすべすべお肌が頭上に広がっているので血縁の「け(毛)」の字もありません。
しかし侮れない、ビジネスマンの店員さんは高い絨毯から説明し始めます。
絨毯の模様なんて気にしたことがありませんでしたが、絨毯には上下があるものとないものがあり、上下のあるものは下から上にかけて過去から未来の絵が描かれているようです。
下にひよこ、真ん中に木が立っており、上には2匹の鳥。男女の出会いを表しているようです。買おうか迷いました。
まずは5万円、次に4万円の絨毯を床に広げていき、淡々と説明が続きます。
どの絨毯にも2匹の鳥が出てくるし、たまに金色の鳥が出現して、それでも退屈してきました。自分は絨毯なんてかさばるし高いので買う予定は一切ありませんでしたが、他の3人は意外とトルキッシュマンの説明を熱心に聞いています。
3人が出された絨毯の毛並みを指で確かめている中、私はそれよりも玄関にあるスカーフをお土産に買いたいなーとか考えていました。
そのとき
トルキッシュマン「そしてこれが今よく売れてる、本当は5万だけど今日は特別3万円!」
私以外の3人「「「安い!」」」
コントかと思いました。さっき買ったビールもう飲んだんか。
イスタンブールのお店では、朝の開店後初の客と閉店直前の客は大切にするということで安くなったらしいです。
しかし4人ともなんだかんだ買いたくはないので早く終わらないかなーともじもじしていると、1人が
ヤニカスの友「まだ大学生だし高いものは買いにくいかな〜なんて…」
マン「おおそうか!そうだよなぁ!いやね、そういうふうに正直に言ってもらえるとおじさんも助かるんだよ〜!」
マンも我々が買わないことを薄々気づいていたのか、後輩の一声であっさり絨毯の説明を終わらせました。
よくやった!後輩の顔をチラ見すると彼も目配せしてきます。いやぁ借りができた。さてお店を後にしましょうか。
マン「おいお前ら!この店にはいいスカーフとトルコ石があるんだよ!」
しまった、せっかく釣り針から口を外しところなのに、網で無理やりすくってきやがりました。
いやここで負けてはいけない、商品から目をそらせ!
しかし不幸にも既に心優しい2人がスカーフとトルコ石の商品紹介を受けていました。
2人とも最終的には親にプレゼントするということで、自分の意思で購入しましたが彼らが買わなかったら自分も拘束され続けていたことでしょう。
さてついに…!再び大海原に解き放たれるときが…!
ヤニカスの友「俺革ジャンが欲しいんすよね」
マン「革ジャン!?親戚や!」
嗚呼、ここは養殖網の中だったようです。逃げられない世界がそこにはありました。
ただ、彼が革ジャン屋に連れて行ってもらおうとしたのは、ホテルの集合時間20時まであと30分ほどの時間を稼ぐためだったようです。絨毯屋を抜けて革ジャン屋まで歩きなので、ここで時間を稼ごうと思ったのでしょう。
彼の作戦は無事成功、19:45に革ジャン屋に着き、一通りウィンドウショッピングした後集合時間が迫っているということを説明し、マンとは熱い握手をしてその場を去りました。
強烈は押し売りでしたが、今となっては良い思い出です。イスタンブールの旧市街を訪れた際には日本語を話すマンにご注意。
マンに出会う直前の、映え
#5終わ終わり