dadadiary

吹奏楽、旅行が好き。

錬金術士がいたらいいのにね

私はアルバイトで塾講師として働いていたりするのですが、先日中学生に理科を教えていたところ、なぜか鋼の錬金術士の話になりました。つい去年鋼の錬金術師は読み終わったのでなんとか彼の話にはついていけたのですが、ホムンクルスってなんだっけ...ってな感じでした。ちょうど岩石、鉱石の授業をしていたので錬金術師はその名の通りもともとは金を錬成する人だけど金ってどうやっても作れないから~なんて言ってしまいましたが、ならそもそも金はどこでいつできたのだろうと思ってしまいました。

 

・あらゆる元素は宇宙の進化とともに生成されてきた。宇宙で金のような重元素が作られるにはこれまでは漸近巨星分枝と呼ばれる赤色巨星内で合成される過程(s過程)と、そのような巨大な恒星が寿命を終え超新星爆発を起こす過程(r過程)の両方で合成されると考えられていたが前者は中性子束が低いため反応断面積が小さくて重元素は生成できず、後者は爆発の際に発生したニュートリノ中性子を陽子にかえてしまうため、重元素は生成しにくいことがわかった。最新の研究では、強い重力によって中性子の密度が非常に高くなった中性子星が合体する過程で、白金や希土類(レアアース)といった元素とともに金も大量に合成される可能性が高いことが判明した。

 

・また、金よりも原子番号が一つ大きい水銀(原子番号80)の安定核種に中性子線を照射すると放射性同位体が生成され、これがベータ崩壊することで金の同位体が得られる。ただし、これらは安定核種ではない(放射能を持つ)上に、実用に耐えうる十分な量の金を求めるのなら長い年月と膨大なエネルギーが必要であり、得られる金の時価と比べるともちろん現実的でない。